2017年12月01日

実らせる難しさ


久しぶりのお仕事ブログです。

12月に入りました。

例年なら収穫も本格的に始まり、来年5月末までほとんど休むことなく収穫仕事となります。

収穫のない時期の仕事は、イチゴの苗作りに終始しています。

これも手間のかかる仕事ですが、自分のペースで出来る仕事なので、体力的にもストレスを感じる事はありません。

が、体力的ストレスはないのだけど、気持ちのストレスは感じての作業になります。

仕事としては苗管理一つなので、多忙な印象は無いのですが、その苗本数は当農園の面積で3万本。

しかも、目に見えない部分の成長も感じながらの作業となります。

目に見える部分の成長は、苗の大きさですが、見えない部分は顕微鏡の世界を感じながらとなります。

イチゴの栽培に於ける成長は「栄養成長」と「生殖成長」の2種類が大切です。

今年の苗つくりで失敗した部分は、栄養成長の見える部分です。

僕の生産する「章姫」という品種は「うどんこ病」という病気に大変弱い品種で、これまでも散々困ってました。

せめて苗の時でも感染してない苗を作りたいと、他方で好成績を挙げてる手法を施したけど、一部作業が不十分で枯死してしまいました

やり直しの判断をし、何とか必要本数は揃いましたが、成長の遅れはどうしようも有りませんでした。

栄養成長の遅れは、そのまま生殖成長の遅れに繋がります。

加えて栄養成長生殖成長が盛んになる10月の天候が、ご存知の通り雨一色でした。

先ずは僕の作業ミスで遅れたことに関係者各位には申し訳ない気持ちでいっぱいです

ところで、そんなに遅れるなら電灯を長い時間点けたらと思う方もいるかと思います。

確かに苗は大きくなります。

ただし、苗だけ大きくなるだけで、肝心の生殖成長には逆効果となり、更に遅れを生ずることになります。

電灯を点けるにも限度があります。

そこを間違えてたら、実りは年明け以降になってたでしょう。

幸い、赤い実が見えてる現状です。

葉っぱものの栽培の難しさもありますが、果菜類の難しさは目に見えない部分との格闘でもあります。

次回作はこういう失敗しないよう、改善すべき点をまとめて対策しないといけません。